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(牧師 秋本 英彦 プロフィール)
1966年東京生まれ。
17才の時に「塩狩峠」(三浦綾子著)
を読んで深く感動して近くのキリスト教会に通い洗礼を受けました
22才で献身して神学校入学、卒業後は「美深、札幌北一条、
北広島山手」の北海道にある教会で奉仕。
2019年4月から札幌桑園教会で奉仕しています。
主日礼拝では「わかりやすい御言の説教」を心がけています。





「御言葉を通じて働く神」
マタイによる福音書2章13節〜23節

 クリスマスから年末は期間が短いため慌ただしくなります。けれども、ある聖書学者は「クリスマスが年末にあるのは特別な恵みである。一年の歩みを御子の誕生と重ねて想起できる」と語っています。2025年はマタイ福音書から系図、夢、星を通じて働くクリスマスメッセージに耳を傾けてきました。今日は御言葉を通じて働く神に目を向けましょう。
 さて、降誕物語は2章13節以降、突如恐ろしい様相に変化します。御子イエスの誕生を恐れたヘロデ大王がベツレヘムにいる2歳以下の幼児を虐殺したからです。その数は40名とも100名を超えるとも言われます。なぜ御子は無力な赤子の時から死の危険にさらされなければならなかったのでしょうか。ある人々は「神が愛なら幼児虐殺という残虐な事件をなぜ許すのか」と非難批判をします。けれども、それは神中心ではない人間中心の思想です。父なる神は世を愛して何にも代えがたいひとり子を世に送ってくださったのです。天から最高のプレゼントが与えられたにも関わらず、罪ある人間はそれを拒絶したのです。主イエスに無関心な者、あるいは敵意や恐れを抱く者はいつも拒絶の態度を取るのです。それは昔も今も変わっていません。
 この出来事にはもう一つ深い意味があります。それはイエス誕生時の苦難の中に、すでに十字架の予兆があったことです。主が生まれた飼い葉桶には十字架の影がすでに映っていたと思えるほどの暗さがありました。同時に命を奪われたベツレヘムの幼子たち。この子どもたちの大いなる犠牲の元に御子が守られていたことも忘れてはなりません。つまり、ベツレヘムの幼子たちは自らの意思とは関係なく、キリストの名のゆえに死んだ殉教者でもあったのです。この幼子たちは神の懐に導かれたに違いありません。人間には受け入れがたい悲惨な出来事すら、神はすべてを益にして救済計画に変える力をお持ちです。常に最悪を最善にしてくださるお方です。
 最後に系図と夢に導かれたヨセフに注目しましょう。ここでは天使のことばを通じてエジプトという予期せぬ地に導かれます。それは言い換えるならば御言葉を光として新しい旅に出たことを意味しています。ヘロデの権勢の前に頼るもののないヨセフでしたが、彼とマリアを支えたのは御言葉でした。2025年のクリスマスを迎えた私たちも暗い世界の中を御言葉の光に導かれて進むことが求められています。やがて家族は南のエジプトに滞在してヘロデ大王が死んだ後、今度は北のナザレへと上ります。それらの出来事はすべて聖書が約束していることの成就でした。御言葉を通じて歴史は導かれ、御言葉を通じて歴史は完成へと進んでいるのです。
 新しい2026年は果たしてどんな年になるか誰にもわかりません。「同じ日常の繰り返しに過ぎない。いやもっと悪くなってゆく」と思われる方もいるでしょう。けれども、歴史を導き、時を支配する神は、人知を超えた計画をお持ちです。国や社会から期待できるものは少ないかもしれません。けれども、御言葉という希望を心に携えて進むならば、神はどこまでも助け、支え、導いてくださることでしょう。新たな年も御言葉に導かれて進んでゆきましょう。

(2025年12月28日 年末感謝礼拝説教)



日本キリスト教会 札幌桑園教会

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